博物館ノート

まぼろしのラジオ体操レコード

収蔵品

ラジオ体操は、昭和3(1928)年、逓信省簡易保険局(現 株式会社かんぽ生命保険)が国民保険体操として制定し、同年NHKがラジオ放送を開始しました。ラジオ体操の振り付けは、初代から現在までに2度の改定がありましたが、今回紹介するレコード(図1)は、2代目となる戦後初のラジオ体操第一、第二、第三のうちの第三(図2)の伴奏用レコードです。
終戦後、GHQ(連合国軍最高司令部)の干渉を受ける中、簡易保険局とNHKはラジオ体操を存続させようと努力しました。
号令をなくし、伴奏をワルツ調にするなどして、今までのラジオ体操とは全く違ったイメージにして、戦後初の新ラジオ体操(第一〜第三)が制定されました。
この新ラジオ体操の放送は、昭和21(1946)年4月に開始されましたが、戦後の混乱期のため、ラジオ体操どころではなかった国民が多かったようです。また、ラジオ体操の振り付けが複雑で難しい、放送時間が不規則などの理由からなかなか国民の間に浸透せず、残念ながら昭和22(1947)年8月に放送中止となりました。
現行のラジオ体操は、国民生活が落ち着いてきた昭和26(1951)年から始まり、今もなお国民の間で親しまれ、盛んに行われています。

049_01.jpg

図1 ラジオ体操第三のレコード
昭和21年

049_02.jpg

図2 ラジオ体操第三図解 
昭和21年