博物館ノート

人車(じんしゃ)

収蔵品

郵便が創業して間もない頃は、郵便物の輸送には専ら「人車」(じんしゃ)が用いられていました。人車は人力で荷物を運ぶ車で、郵便物運搬用の人車には枠車と函車の2種があり、赤い躯体と大きな車輪が特徴的でした(図1)。
現在の郵便局のバイクや郵便自動車は赤い色ですが、郵便物運搬用の人車にはすでに赤い色が使われていたことが、この図から分かります。当時、赤い人車は大変珍しく、町なかでは非常に目立っていたため、「東京中の多くの人々に郵便のことを知らせる広告となった。」と、後に前島密が『郵便創業談』の中で語っています。
明治25(1892)年に小包郵便の取扱いが開始されてからは、人車は小包の輸送のみならず、配達にも利用されました。(図2)。

図1 『郵便器具図』郵便物及び小包逓送枠車(函館)
図1 『郵便器具図』郵便物及び小包逓送枠車(函館)

図2 『郵便器具図』小包郵便物配達用函車(青森)
図2 『郵便器具図』小包郵便物配達用函車(青森)