博物館ノート

郵便現業絵巻

収蔵品

「郵便現業絵巻」は、明治期の郵便局窓口の様子や郵便局内外での作業風景を描いた絵巻で、明治26(1893)年にアメリカ合衆国シカゴ市においてコロンブスのアメリカ到達400年を記念して開催された「コロンブス世界博覧会」に出品するために制作されたものです。作者は久保田米僊で、上下2巻の巻子本(巻物)になっており、上、下巻各6場面ずつ計12場面の構成となっています。
上巻は、明治25(1892)年4月に完成した東京郵便電信局の窓口(図1)、郵便物差立区分室における郵便物の取揃えや差立区分の風景(図2)といった屋内での業務の様子が描かれています。また、下巻は、郵便物の積み卸し作業(図3)や郵便物の取集(図4)等、屋外での業務の様子が描かれています。

図1 東京郵便電信局の窓口とロビー
図1 東京郵便電信局の窓口とロビー

図2 東京郵便電信局の郵便物差立区分室
図2 東京郵便電信局の郵便物差立区分室

図3 郵便物運送馬車への積み込み
図3 郵便物運送馬車への積み込み

図4 東京市内の郵便支局の前景
図4 東京市内の郵便支局の前景