博物館ノート

二重丸型日付印(最初の統一日付印)

収蔵品

二重丸型日付印は、文字通り二重の同心円で構成された丸型の日付印で、内側の丸の中には局名、外側の丸には旧国名・郡名・郵便役所名(郵便局名)・年号・年・月・日・時刻が組み合わされています。数字部分の活字は入れ換えて使えるようになっており、旧国名や郡名・年号や年の有無は郵便役所(郵便局)によって違っていました。
それまでの郵便印には日付印という概念がなく、それぞれの郵便役所(郵便局)で調製し使用していたため、形や表示図案が不統一でした。
二重丸型日付印は、明治6(1873)年4月に郵便料金が全国均一料金となったことに伴い、東京、大阪など大きな局で使われ始め、その後明治7年10月に「日付印捺印心得方」が制定されて、全国の郵便役所(郵便局)に交付されました。
このようなことから、二重丸型日付印は「最初の統一日付印」とも呼ばれて、明治21(1888)年8月まで使用されました。

図1 福島郵便役所の二重丸型日付印 明治7年頃
図1 福島郵便役所の二重丸型日付印
明治7年頃

図2 図1を分解した状態
図2 図1を分解した状態

図3 印影 岩代(旧国名)・信夫(郡名)・福島(局名)・六(月)・二一(日)
図3 印影
岩代(旧国名)・信夫(郡名)・福島(局名)・六(月)・二一(日)