博物館ノート

ダガン式押印機

収蔵品

押印機は、切手の消印作業をスピードアップさせ、効率的に行うために考案された機械です。 今回紹介するダガン式押印機(図1)は、珍しい機構の押印機で、1889年に開催されたパリ万国博覧会に出品されています。
この押印機を製造したのは、銘板(図2)からフランスのA.E.MOLU&WEIL社とわかります。ピストン部分(図3)に指をそえて押すとホッピングのようにバネが作動する仕組みで、軽いタッチで押印作業を行うことができます。
この押印機は、15分間に1200通の手紙を消印することが可能でしたが、手紙を整頓して消印係に交付する補助者を置かないといけないというデメリットもあったようです。しかし、フランスの郵便局では20世紀後半まで使用していた局もありました。

図1 ダガン式押印機
図1 ダガン式押印機

図2 銘板とその内容
図2 銘板とその内容

図3 ピストン部分
図3 ピストン部分

参考 日附印の押印部分
参考 日附印の押印部分